H28.10・13桐生市の産学官民連携事業を視察しました
桐生市は人口11万6千人の市で古くから繊維技術が集結し、現在でもほとんどのブランドの布は桐生市で生産している。
市内には群馬大学があり、桐生市では群馬大学理工学部、市内の物づくり産業と提携し、脱地球温暖化を目指して産学官の連携を進めている。下記の通り様々な実績があるが、今回は低速電動バス「eCOM8」の走行実験を視察した。
小沢代表の挨拶です。
1.現在までの実績
・廃棄される竹を再利用した「デザイン竹垣」の開発
・炭の培養土と室内栽培容器「Kiko Pot」の開発
・地元産木材を活用した木製の塀「もくべえ」の開発
・電気を使わない「熱中症対策ミスト装置」の開発
・レンタサイクルを活用したCO2削減量調査
・一人乗り電気自動車(μ―TT2)の開発・実験
・EV軽トラックの開発・動物園での活用実験
・低速電動バス「eCOM8」の開発・走行実験
この車両がeCOM8 蚕の繭にちなんで「MAYU」と名付けられた
対面ベンチシート ソーラーパネル搭載 EVなのでクリーンで静か コンパクトだけど10人乗り 時速19㎞/hで安心・安全 乗り降り楽々 家庭用コンセントで充電可能 8輪駆動で前6輪が方向舵輪 電池は8時間充電で40km走行可 下り坂では充電する 19km/h走行なのでシートベルト不要 等々たくさんの特徴を持っている。
2.MAYUを活用したまちづくり
総務省の「地域経済循環創造事業」に採択され、MAYUと桐生市の地域資源を融合させた「環境観光」と、MAYUの活用拡大による地域製造業の活力推進事業を展開している。
(1)桐生市内には伝統的な建築物が多く残っており、MAYUに乗ってそれらの建造物を巡り歩く観光を開発した。
(2)MAYUの魅力や活用実績等を全国に発信し、MAYUの利用拡大、販売促進を図りMAYUを製造する関連事業者にも波及効果をもたらしていく。
3.MAYUについて
・群馬大学理工学部が開発し、新規参入企業㈱シンクトゥギャザーが生産している。
・警察の指導で19km/hが最高速。
・速度が遅いので最初は邪魔だと思っていた市民も今は家の前を通ってほしいと言っている。
・現在は㈱桐生再生が4台所有し、運行、貸し出しをしている。
・車検は毎年。
・地域のニーズに合わせた設計製作が可能。
・小学校等の感興教育に最適。
・マイカー規制区間の移動手段に最適。
・地域イベントで活用可能。
・ネットを見て海外からの問い合わせが多い。
・現在のリース料は1日5万円 2日目は4万円。
・雨天時はビニールシートをおろして囲う。
運転席はとてもシンプルです。
8輪駆動です。
電池交換可能です。
車庫です。
桐生市の工場はのこぎりのようにぎざぎざの屋根が特徴だそうです。
この車庫も工場ののこぎり屋根をまねて作りました。
車庫で充電します。
家庭用のコンセントから充電できます。
正面です。
運転席には鈴木議員が乗っています。
バスの向こうにレンガの建物が見えますが、廃工場となった建物を買ってパン屋さんを始めた人がいます。これも桐生再生の一環です。
とても人気があるそうです。
ここものこぎり屋根です。
明り取りだそうです。
㈱桐生再生の本社です。
古民家を購入しました。
近所にある天満宮と群馬大学を案内していただきました。
この天満宮の装飾は日光東照宮の装飾にも負けていません。
4.所感
大学が開発した製品を民間が製造し、製品を活用した事業を民間が開発する。この事業に市が補助や委託をし、国の補助も活用して運営するという、まさに産学官民が見事に連携し、成功している数少ない例だと思う。
㈱桐生再生は新しく起業した会社で社長は元銀行マンである。古民家を買い取り事務所や食堂として活用している。eCOM8を4台購入し、車庫を4台分新築した。現在は市内の古い町並みなど、見どころを周遊するMAYUルートを開発し活発に誘客につなげている。
こうした民間活力と官、金融機関も共働した事業展開は大いに参考になった。
eCOM8はとても開放感のある乗り物であり、富士市内を走っていたらとてもほのぼのとした雰囲気を醸し出すと思う。
富士山をゆったり眺められるルートを開発したら誘客につながる可能性もある。
とても気になる富士駅と新富士駅をつないでも良いかもしれない。
夢のある乗り物だと思う。