h28.4.20コアレックス信栄(株)を視察しました。
説明者 常務執行役員 佐野 仁 様
コアレックス信栄(株)は、古紙再生による資源の循環と地域との協働により、地球環境の保全に力を注いでいます。
また、全国各地に工場を点在させることで多くの地域の雇用と災害時の救援拠点となり、災害の影響を受けなかった工場で生産されたトイレットペーパーを、救援物資として被災地に届けることができます。
更に、新しい技術を開発し、単なる効率化だけでなく、環境負荷の低減に努めてきました。
昨年、富士市中之郷に新しい工場を建設し、50名の社員を新規雇用し、3K、5Kと言われてきた職場環境を「きれいで安全に」をテーマに生産活動に励んでいます。
富士市の工場には難再生紙(ホチキス止めやファイルに綴じられた資料、段ボールに詰められた機密書類等、)をそのまま溶解し、トイレットペーパーの原料にするプラントを設置し、家庭や事業所からの古紙の排出を容易にすることができました。
産業観光という観点からは、工場内を見学できるルートを作り、訪れる見学者には松風堂の小まんじゅうなど、地域の産品を手土産とし、昼食は富士川楽座でとってもらうなど、地域との連携にも力を入れています。
川崎市との連携
1.可燃ごみの中身の調査
ごみ袋の中を調査したところ、まだ30%は再生できることが判明。
2.川崎市の取り組み
市民への説明会などを重ね、毎月1000t以上の古紙が新たに回収されるようになった。
3.効果
川崎市の焼却炉4基が3基で間に合うようになった。
富士市での取り組み
1.焼却ごみの減量→ 川崎市のような取り組みをしたい。
(1)資源ごみ用のビニール袋でその他の紙を回収。
(2)ビニールがついたままのティッシュBOX、刃がついたままのラップBOX、金具のついたファイル、ホチキス止めの書類、等々、そのまま回収する。
2.災害時に備え、トイレットペーパーを備蓄している。
3.富士市との防災協定。
工場の屋上は津波時や、土砂災害時の緊急避難施設として常時開放している。
会議室は200名が避難所として使える。
会議室の横には水と食料が常時備蓄してある。
4.会社の敷地内にいつでもどこからでも入れるように、高い壁は作らず、植込み程度にしてある。
5.社員を120名雇用した。
聴講風景
200名が避難所として使える会議室
会議室の隣の部屋に備蓄された飲料、食料、医薬品
会社全体の模型
工場の外には階段があり、津波時には屋上へ避難できる。
整然と積まれた原料
この大きなタンクの中で原料は溶かされ、金具やビニールが分別される。
分別後、不要物は回収され、金属やプラに分別され、再生工場で処分される。
分別された物を確認する視察団
タンクの上から原料が溶解される様子を視察
工場の中はほとんど臭いなどは無い。
製品が流れるライン
かつての汚い職場というイメージはない。
2基の浄水器で生きた水として排水される。
朝日新聞の記事
所感
今回、環境経済委員会としてこの最新鋭の工場を視察できたことは富士市の産業、経済を考える上でとても有意義だったと思います。受け入れていただいたコアレックス信栄株式会社様には心からお礼申し上げます。
コアレックス信栄(株)は、国、県、市からの補助を利用し、富士市に工場を新築された企業であり、補助金がどのように活用されているか知る上でも、近年の技術の進歩を知る上でも貴重な体験になりました。
特に、今まで分別が必要だったティッシュBOXやファイルの金具をそのまま出せるということは、職場でも家庭でも手間が減り助かると思うし、更にリサイクルを推進する上で、大きな力になると思います。
私は金属やビニールは強烈な薬を使って溶かしてしまうと思っていたのですが、大きな水槽の中で資源を溶かすうちに自然に分別され、重いものが底の方に行き、排出されるのを見て、劇薬が使用されているわけではないと知り、安心しました。
また、排水される水も、しっかりとミネラルが補給され、コケが生えるくらいに改善されて排水されるのを見て、富士市が公害と闘ってきた歴史が活かされていると感じました。
また、120人の雇用を生んでいることも合わせ、補助金が有効に使われていることを感じます。
今回は、企業の持つ悩みなども聞き取ることができ、行政と企業は、馴れ合いではないが、密接な関係の構築が必要だと改めて感じました。
地域との共存という面では、敷地の周囲に壁を作らず、緊急時にはいつでも敷地に入り、避難階段を登れるようになっていること、従業員はもちろん、周辺の住民も避難生活が送れるように気配りがされていました。
私たち議員も企業の努力を知り、馴れ合いではない関係を保ちながら、対行政、対企業の政策を持ち、今後も議員活動を続けていかなければならないと痛感しました。